慟哭 小説 伏線
出典:お家でゆったりと、通勤電車の中でサクっと。自分が読みたいと思ったタイミングで、気軽にその世界に入り込んでいけるのが小説の魅力ですよね?なかでもミステリー小説は、内容に入り込みやすく、短い通勤電車の中でもしっかりと楽しめる事でも、人気の 最近は小説はあまり読まないけど高校までは本読むときは小説しか読まなかったタイプ。 今回はその中でも伏線回収がすごいものをピックアップして紹介。 小説読んだ後の伏線が回収されたときのスッキリ感、してやられた感じがたまらない! [スポンサーリンク]1993年に刊行された傑作ミステリ貫井徳郎「慟哭」。本作は同作家のデビュー作であり、代表作のひとつにも推される名作です。同作家特有の重厚な描写は、デビュー作でその礎を築いています。プロットも秀逸。連続少女誘拐事件を背景に、当該事件の陣頭指揮を執る警視庁捜査一課長・佐伯。心の隙間を埋めるべく新興宗教に救いを求める“彼”・松本。この二者の視点を中心とし、それぞれの章でストーリーが展開されています。本作はミスリードを誘う叙述トリック作品です。その叙述トリックを検証するため、以下は読了前提としてネタバレで考察しています。[スポンサーリンク]奇数章で描写される“彼”・松本の心情、偶数章で展開していく警察捜査本部の俯瞰。偶数章はいうまでもなく佐伯を中心として描かれています。偶数章が本作の軸となって進んでいくため、一見、奇数章は本編とはかけ離れたストーリーのように感じます。読み進めていくうちに、新興宗教に没頭していく松本はどこで本編に交わってくるのか、という疑念が頭をもたげます。佐伯の章と松本の章でそれぞれ描写されていることもあり、同時期に事件が発生しているかのように誤認してしまいがち。しかし、作中でも掲示されていますが、時系列でみると奇数章と偶数章は同時期ではありません。正確な時系列は、偶数章の佐伯編が先であり、奇数章の松本編が後です。この時系列の差異が、本作の叙述トリックの根幹になっているため、これによって自ずとみえてくるものがあります。[スポンサーリンク]本作の本編のように映る偶数章と交互に読み進める奇数章は、どこかスピンオフのような、奇異な印象を読み手に与えています。娘を亡くした正体不明の松本という人物が、ついには黒魔術を盲信し、依代として生身の身体を求めて少女を次々と殺害していくさまは、偶数章で続発している事件の犯人を連想させます。しかし、どうにも辻褄が合いません。そして、早い段階で頭をよぎる「彼(松本)は佐伯ではないか」という憶測も、時系列の差異によって読み手に混乱を生じさせます。いずれにおいても、時系列の差異に気づかず、先入観で同時進行のストーリーとして読み進めているうちは、きっちりミスリードしていることになります。[スポンサーリンク]時系列で先の偶数章において、佐伯は捜査する側の人間。三件の連続少女誘拐事件を追いかけている最中、自らの娘が4人目の犠牲者となってしまうシーンが偶数章のラストです。時系列でいう、「偶数章のラスト以降、奇数章の冒頭まで」の空白の期間は作中で描写されていません。この空白の期間に変化があったと想定されることは、「佐伯が辞職し、姓を旧姓(松本)に戻した」ということでしょう。これらのことから構成がわかりますが、時系列で先になっている偶数章の連続少女誘拐事件と、時系列で後になっている奇数章の連続誘拐事件はまったく別の事件であり、被疑者も異なります。つまり、本作は、時系列も被疑者も異なる、まったく別の二つの事件を描いた作品です。以下は推測にすぎませんが、著者は、意図的に「松本=佐伯」という連想を早い段階で読み手に意識させているのでは。叙述トリックの伏線もあからさまに掲示しているところからも、ミスリードを誘ってミステリとして成立させつつも、メッセージは別にあるのではないでしょうか。それは、捜査一課の刑事・丘本の分析力、捜査一課長・佐伯の洞察力、娘を奪われた父・松本の慟哭などの重厚な描写が、本作の核心を物語っているのかもしれません。written by [スポンサーリンク] 大好きなミステー小説の中でも特に好きなのが叙述トリックと言われる、いわゆるどんでん返しの物語。作者の巧みなテクニックで読んでる途中で、ハッと気づく物語のミスリード。気付いた時にはもう遅く、ページをめくり返して「あーやられた」と思う展開。そんな極上のどんでん返しミステリーのお勧めをランキング形式で紹介します。スポンサーリンク24.芹沢央「悪いものが来ませんように」23.佐々木譲「警官の血」22.横山秀夫「第三の時効」21.湊かなえ「リバース」20.高野和明「13階段」19.貫井徳郎「慟哭」18.伊坂幸太郎「ホワイトラビット」17.今村昌弘「屍人荘の殺人」16.相沢 沙呼「メディウム」15.東野圭吾「仮面山荘殺人事件」14.倉知淳「星降り山荘の殺人」13.辻村深月「名前探しの放課後」12.伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」11.長江俊和「出版禁止」10.筒井康隆「ロートレック荘事件」9.恩田陸「ドミノ」8.道尾秀介「ラットマン」7.乾くるみ「イニシエーション・ラブ」6.歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」5.市川憂人「ジェリーフィッシュは凍らない」4.我孫子武丸「殺戮にいたる病」3.萩原浩「噂」2.殊能将之「ハサミ男」1.綾辻行人「十角館の殺人」芹沢さんの好きなタイプの小説ではなかったけど、オチの強さやどんでん返しで言えば有りなんじゃないでしょうか。なかな見抜けなかった違和感に対して、結構モヤモヤがありましたがチャレンジするにはおすすめです。 三世代に渡って警官の生きる姿と、その裏にある運命の悪戯を描いた傑作ミステリー。かなり昔に読んだ作品で、時代設定も古いのですが、とてもつもなく濃厚で面白い。傑作ドラマ級に壮大であり、最後に待ち構える真実に驚かされるでしょう。 警察小説と言えば横山秀夫さん。その数ある作品でも一押しが「短編形式で凄く簡潔で読みやすいんだけど、その代わりめちゃくちゃ濃度の濃い1話となってます。この短さでここまで魂篭った作品もなかなか出逢える事がないので、キャラも立って面白いし毎回意外性のある展開が見事です。横山さんは他にも、「 湊かなえさんのどんでん返しミステリー。予備知識なく読んだら、読みやすくて、あっという間に読めるので暇つぶしにどうぞ。 サスペンスとかミステリーではよく読む高野さんの名作といえば「この人の文章もとても引き込まれるし、物語自体もスリリングでとても休めないwラストの衝撃も印象的で、あっと驚く度は低いけどもミステリー作品としての完成度が高いです。こちらも王道の叙述トリックミステリー。これも名作だと思うのですが、耐性が付いた頃に読んだのと、他の作品よりも違和感が大きくて、オチが読めてしまったんですよね。それでも、物語で伝えたいことはそこじゃなくてとても辛い話。どんでん返しを期待して読んだら、思った以上のどんでん返しの物語を読まされた感じですw個人的には伊坂さんの中では、「前半に沢山散りばめた伏線を後半一気に回収していく感じが、ジェットコースター感覚でスピード感ありノンストップで読みたい名作。伊坂幸太郎「ホワイトラビット」感想・ネタバレ ラッシュライフを超える名作2017年の話題をさらった新人さんのデビュー作。今後の作品も期待したい位に面白い物語を提案してくれそうな作家さんです。今村昌弘「屍人荘の殺人」感想 本格ミステリーの先を行くエンタメ性が凄いこのミステリーがすごい2020の大賞に輝いた探偵物語。上で紹介してる「屍人荘の殺人」と並ぶ、新時代の新しいミステリーの描き方って感じです。読書に慣れてない人でも読みやすい作風なのですが、内容はしっかり本格ミステリー。しかも、どんでん返しの部分がすごい手が込んでます。伏線だらけで、後半の怒涛の回収の仕方が面白いです。 東野さんの中にも結構どんでん返し系はあるのですが、一番衝撃だったのはやっぱりこれ。完成度が高すぎて、ラストまで普通の殺人ものだと思ってたのに、見事に裏切られる展開が見事でした。東野さんは、この辺りもどんでん返し系で面白いです[2020年版] 東野圭吾 全作品一覧を順番にご紹介 おすすめ・感想・新作随時更新これは読むのが遅くなったんですが、叙述トリック物として有名な作品ですね。話の折にかなり物語のヒントが書いてあり、騙されないためにかなり慎重に読める珍しさ。この人は探偵で、この人はワトソン役みたいにわざわざ説明があるのですが、犯行の謎がなかなか煮え切らないので事件自体が非常に分からない。アンフェアではなく、あくまでもヒントだらけの物語だけど普通に読んでも面白い作品。倉知淳「星降り山荘の殺人」感想 作者の巧みな仕掛けを暴く楽しみ読めば必ずハマってしまう辻村ワールド。独特の青春時時代の闇の部分とミステリー要素を強く持った作品が多いのですが、その中でもラストに衝撃を受けたのがこの作品。3ヶ月前の世界にタイムスリップして自殺したクラスの「誰か」を止めるという青春ミステリー。物語の大逆転というか、ここまで読んでた話全部が複線だったという素晴らしさ。辻村さんは他にもおすすめが多くて、「「「この辺りは、引き込まれる物語とあっと驚くラストに驚かされますよ。[2020年版] 辻村深月 全作品一覧を順番に紹介 読む順番・感想(新作随時更新)伊坂さんの中でも、ミステリー色の強い作品がこれ。完成度も非常に高くて、物語のプロットがとても優れているので本当に無駄がない話ですね。思わず笑ってしまう様なセンスのいい言葉やキャラの立った存在など、本格派とは違う文学的な面白さもあると思います。ただ個人的には「見事すぎる構成で、読者を眠れぬ闇に誘ってしまう悪魔の物語。あまりにもすんなりと受け入れる様に読めてしまうのだけど、読後にすごい大興奮。そのの中に散りばめられた伏線の数々を綺麗に回収するて筆力は素晴らしい。読み終わった後にこんなに必死で真相究明したのも久しぶりでした。見事に騙されまくった必見のミステリーです。長江俊和「出版禁止」感想 真相の深いパズルのような叙述トリックに脱帽物語の伏線が散りばめられた登場人物の多さが、若干前半の読みにくさを出すのですが、中盤以降の怒涛の展開に拍手したくなる見事な作品です。特にラスト100Pがあっという間で、恩田さんらしくないギャグセンスにニヤリと笑わせられます。映画並みのスリルを感じさせられる至福の作品です。2020年に発売した続編の「めっちゃ最近読んだ小説なんですが、「違和感がすごくあるんだけど、その違和感の正体が見抜けなかったんですよね。違和感の正体に気づけば、今までの話の流れが自然に見えてくる。 道尾さんは「伏線だらけであまりにも怪しいストーリー展開で、ラストは流石に読めるだろうと思ってましたが二転三転する物語の驚愕の事実に驚かされること間違いなし。とにかくジェットコースターの様に振り回されて、ラストは無重力で落とされてしまう感覚。人の思い込みが如何に愚かであるかを思い知らされます。道尾秀介「ラットマン」感想 思い込みに騙される大どんでん返しこれは叙述トリックを用いた恋愛小説ですね。物語自体はあまり面白くないのですが、最後の最後にやられた気分に持っていかれる衝撃は凄かった。よく見ると複線的なものは色々とあるので、分かる人には分かるんでしょうね。これは殺人の描写がちょっとグロいので、万人にお勧めはできない作品。それでもきっと驚きのラストに衝撃を受けるはずです。見たくなくても、読み進めてしまう力があるんですよね。すりこまされた思い込みは、ラストまでその存在が明かされないので、またしても意味が分からなくてパニックになりました。読み返すと散りばめられた複線が見事すぎて、思い込みの怖さに衝撃を受けました。 読んでて違和感のない物語だったはずが、めちゃくちゃ予想外のラストが待ってました。冒頭のシーンでの思い込みをすり込ませておいて、実は○○でしたって言われるとは…。でも、全部実現不可な事じゃないし、明かされてしまうと納得の事実。ここまで練られてると脱帽なんだけど、もう1つトリックが隠されてたりと手の混みようが半端ない。点数は高いけど、衝撃の多さでいうと上位の方が上でした。 雪山での飛行船実験の後に起こる殺人と、捜査中の刑事達の物語がパートに別れて、分かりやすい物語の進行でとても読みやすくイメージも持ちやすい小説。ヒントも各所に有りながらも、何故かいきなり核心に迫る最後の犠牲者の名前。遂に出てきた犯人の正体とトリックは…もう見事でしたw続編のこちらも面白いどんでん返しが見える作品です。 読んでる手が止まらない位に没頭してしまった傑作小説。冒頭から怪しげな存在の組織に悲しい事件。その裏にある物は一体なんだろうか?と一気読みしてしまいます。レインマンの正体であっさりと終わるのかと思いきや、ラストの1行で凍りつかされます。これもめちゃくちゃ面白かった殺人鬼小説。最後の最後まで、まさかの展開が待っているのであまりの衝撃に何度も見返すしかありません。タイトルが示すものは、これ以上ない深い意味を持ちますね。 日本の作家でどんでん返しと言えば不屈の名作として必ず出てくる「今読んでも必ずあっと驚かされる物語の練りに練った展開の仕方は非常に見事で、タイトルが「まさかそんなトリックがあるなんて、現実的じゃないかもしれないけど思いつくのが凄い。アガサの『未読の方が羨ましいです。  ここに挙げてるおすすめ作品は、ほんと名作ばかりです。今回は国内の作家さんばかりに絞って読みやすさと驚き度を挙げましたが、また海外の作家さんのものでも書きたいと思います。ぜひ未読の作品があれば、これをきっかけに読んで見て下さいね。読書ブロガーが感動したおすすめ小説16作品ランキング[泣ける・笑える本]管理人のmaccoです。86年生まれの♂。このブログは音楽と本の感想を中心に好きなことを書いている趣味ブログです。→→twitter:Instagram音楽:Instagram本:サブブログ: 1位.「2位.「3位「©Copyright2020