みやこ 麹 戻し方
少し前まで、米麹を自宅で使うという方はあまりおられませんでした。けれども甘酒や塩麹が大ブレイクして以降、広く使われるようになったようです。ところで米麹には賞味期限がありますが、うっかり期限切れになってしまったらもう食べられないのでしょうか?また、保存方法によっては長持ちされることができるのでは?というわけで今回は、米麹の賞味期限や保存方法について知っておくとトクするお話です。Contents麹とは米や麦、豆などの穀物に麹菌を繁殖させたもので、麹菌が米につけられると米麹、麦なら麦麹、豆なら豆麹になります。麹菌の本名はニホンコウジカビ、れっきとしたカビの仲間です。麹菌は日本にしかいない菌で、2006年に日本の「国菌」に認定されました。醤油や味噌のほか、酢や日本酒などを作るために必要な、日本の食生活に欠かせないものです。「こうじ」の漢字には「麹」と「糀」があります。「麹」は中国の漢字で、もともとは麦を原料に作られていました。一方「糀」は日本で作られた「国字」で、米に麹菌が生える様子が咲く花のようだということで「糀」となったのです。スーパーなどで簡単に手に入る乾燥米麹は、生米麹を乾燥させたものです。通常ビニールの袋に入っていますが、その袋をよく見ると、賞味期限が明記されています。▼筆者愛用の米麹の袋乾燥米麹は常温で保存が可能で商品によって多少違いますが、おおむね3ヶ月から半年は大丈夫のようです。ただし高温多湿なところに保存すると品質の劣化を早めるため、注意が必要です。筆者愛用の米麹では、開封後は冷蔵保存することを推奨しています。保存状態が適切であれば、米麹の賞味期限が切れていても大丈夫です。そもそも賞味期限は、消費期限とは別モノです。消費期限は、決められた期限をすぎると腐敗や変質によって安全性が保たれなくなる年月日です。消費期限は、おいしく食べられる目安とされているもので、期限が切れたからといってすぐに変質するというものではないからです。麹菌はカビの仲間なので、適度な水分と温度があれば活動を開始します。乾燥米麹は、乾燥させることで麹菌の活動を抑え、保存性を高めたものなので、湿気させてしまったり温度の高いところに保管したりすれば、変質や雑菌の繁殖を招いてしまうのです。変色が見られたり異臭がしたりしていれば、食品としての安全性が損なわれている危険があるため、あきらめて廃棄することをおすすめします。見た目には問題がなくても、古くなった米麹は麹菌のパワーが落ちています。パワーが落ちるとデンプンを糖に変える働きが弱くなるため、甘酒を作るときには、ご飯を加えず米麹だけをお湯で戻すやり方をおすすめします。▼甘酒の作り方を詳しく古くなった米麹の利用法としては、醤油麹が最適です。醤油にふくまれる糖分や酵素、アミノ酸などが弱った麹菌をサポートしてくれるのか、問題なくおいしくできあがります。美味しく作るコツは、丸大豆を使用した減塩でない醤油を使うことです。室温で保存できる乾燥米麹ですが、冷凍すればさらに長持ちさせることができます。ジップロックなどの厚手で密封できる袋に入れて冷凍庫に保存すれば、1年くらい平気。冷蔵で10日程度しかもたない生の米麹も、冷凍保存すれば3ヶ月程度は大丈夫です。冷凍しても麹菌は休眠するだけで、常温に戻せば復活します。ただし電子レンジでの解凍は禁物で、常温で自然解凍してください。自家製の甘酒は5日程度しか日持ちしませんが、もし飲みきれずに残してしまいそうなときには、冷凍庫で保存できるのです。冷凍保存すると、麹菌を休眠させるとともに雑菌の繁殖を抑えることができるため、1ヶ月以上はもちます。米麹は結構日持ちするものですが、新しいほど麹菌は元気で風味もよいものです。古くなってしまうまえに冷凍保存されることをおすすめしますが、もっとおすすめなのは、どんどん使ってしまうこと。醤油麹や甘酒は、簡単なアレンジでおいしいお酒のアテやおかずができるので、米麹はあっという間になくなってしまうのです。今日のボタモチは【先手】です。人材と同様に有用菌も、機嫌よく働けるようにしておけば、あとは自発的に持ち味を最大限に発揮してくれます。エネルギーは先手にこそ回したいものです。※今日はボタモチ、1個追加! 乾燥麹の元祖、伊勢惣の『みやここうじ』を使った甘酒のレシピ3パターンと、余った乾燥麹で作る美白水、麹風呂について、株式会社伊勢惣 専務取締役 足立昇司さんに教えてもらいました。 2018年01月19日1月20日(土)は二十四節気の「大寒」。1年の中で最も寒い時季であるこの日は、「甘酒の日」でもあります。甘酒は「飲む点滴」として、または、優れた発酵調味料として、毎日の食卓に欠かせないものです。そんな甘酒のもととなる「麹」。手軽に使える乾燥麹は、スーパーでも購入することができます。乾燥麹の元祖と言われ、販売シェア90%を誇るのが『みやここうじ』。みなさんも、きっと一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?今回は、『みやここうじ』の製造販売元である株式会社伊勢惣専務取締役の足立昇司さんに、『みやここうじ』の活用法についてお話を伺いしました。また、『みやここうじ』を使った甘酒のレシピも3パターン教えてもらいましたよ! みなさまもぜひ、「甘酒の日」に温かい手作り甘酒でほっこり温まってみませんか?✔関連記事味噌や醤油、みりんなど日本伝統の発酵食品の原料となる米麹。味噌や醤油の蔵元で使われるのはふわふわと柔らかいでき立ての“生麹”です。しかし、“生麹”は刻一刻と発酵が進むため日持ちせず、そのものを商品として流通させるのは困難です。そこで、伊勢惣は、昭和36年に生麹を乾燥させる技術を開発。スーパーなど量販店での販売を実現しました。その技術はとても高度なもので、今なお他社の追随を許さず、全国の量販店での販売シェアは90%にも及ぶといいます。「乾燥麹といえば『みやここうじ』」というイメージが強いのはそのためなんですね。「大量生産ですが、昔ながらの麹箱ですべて手作りしているんですよ。市販の乾燥麹で良く見られるのはパラパラの粒状の“バラ麹”ではないでしょうか。これは、機械で作られているケースがほとんどです。使用前にバラバラにして使うことを見越して、そこまで加工して販売しているのでしょう。一方で、当社の乾燥麹は板状の“板麹”をそのまま乾燥させて、分割してパッケージしています。表面が綿状になっているのは麹の菌糸なんですよ。当社の乾燥麹は麹の力が強いのが特徴です」と足立専務。『みやここうじ』は、低温乾燥させることで、麹菌を休眠状態にしているそう。だから、発酵及び腐敗を止めて長期保存を可能にしながら、使用時に水を含ませることで菌を再び活性化することができるといいます。「生麹と乾燥麹の違いは湿っているか乾燥しているかの違いで、味や効果にはほとんど差はありません」。『みやここうじ』は、どのような人に使われているのでしょう。ひと昔前は、味噌や甘酒を手作りする人、あるいは、北海道では鮭を漬けこむ「飯寿司」、 石川県ではブリやニシンを挟み込む「かぶら寿司」といったなれ寿司など、地方の郷土料理などを作る人が購入するケースが多かったそうです。しかし、2011年の塩麹ブームを機に新しいニーズが増えました。そして、塩麹に続いて、醤油麹、甘麹など新しい使い方をする方が増えていきます。さらに、2013年くらいからは甘酒ブームで、30~40代の若い女性が甘酒を作るために購入する傾向にあるそうです。こうして、ニーズは急増し、2010年頃と比較すると出荷量はおよそ5~6倍になっているといいます。また、『みやここうじ』は海外からも注目を集めているそう!「世界中に店舗を展開するグローバルなレストランブランド、ハッカサングループ(HAKKASAN GROUP:https://hakkasangroup.com/)が運営する和食チェーンから問い合せがあったんです。ロンドンの中華料理店で初めてミシュランの1つ星を獲得したお店なのですが、そこで、甘酒を作ってメニュー提供したいというお話でした」。海外、中でもヨーロッパでは、日本のブームへの関心が非常に高いといいます。日本の甘酒ブーム、さらには発酵文化も、今後、世界中に広がっていく予感がしますね。「麹の酵素を活用するなら、自分で手作りするのが一番です。でき合いの甘酒は、どうしても酵素が失活してしまっています。ぜひ、ご自宅で作ってみませんか」と足立専務。『みやここうじ』を使った、甘酒の簡単な作り方を3パターン教えてくれました。・乾燥麹 200g✔乾燥麹は、袋をあけずにそのままもみほぐすと、麹がバラバラと散らかることがありません。・冷ごはん 1合分(お茶碗約2杯分)お粥を炊く手間が省けますが、お粥から作るのと同じくらいのおいしさになります! ただ、お粥から作った方が柔らかい口当たりになります。食感は好みなので、粒々感が好きな人には、冷ごはんで作るのもおすすめです。・乾燥麹 200gお粥を炊いた方がお米本来の甘みが楽しめますが、簡単に作りたいならこちらがおすすめです!自宅に炊飯器や発酵食メーカー、ヨーグルトメーカーなどがない方、あるいは、もっと気軽に甘酒が作りたい方は魔法瓶を使ってもOKです。魔法瓶に熱湯を入れて温めておけば保温器として使えるといいます。ぜひ、こちらも試してみてくださいね!乾燥麹は保存期間が長いといえども、賞味期限はあります。また、封を切ってしまえば、麹のパワーは次第に落ちていきます。だからといって捨ててしまうのはもったいない!美白水は、もみほぐした乾燥麹50gと60度のぬるま湯を混ぜて2~3時間常温に置き、ガーゼや布巾で濾すだけで完成! でき上がった美白液は、手のひらまたはガーゼに湿らせて、顔や全身のパックにどうぞ。なお、残った美白水は、冷蔵庫で約2週間保存できます。麹風呂はもっと簡単です。乾燥麹を布袋に入れて、浴槽のお湯に浮かべるだけ。お湯がかすかに白濁して柔らかくなります。美白水を濾した麹も同様に、麹風呂の素になりますよ!麹を扱う職人の手は白く美しいといいますよね。ぜひ、そのパワーを体感してみてください。ただし、肌に合わない場合がありますので、使用前には必ずパッチテストを行ってください。スーパーでも手に入る『みやここうじ』ですが、昨今の甘酒ブームで入手困難な場合も。『みやここうじ』を見かけたら、すぐに手に取っていただくことをオススメさせていただきます!✔関連記事食品メーカー営業職として10年間のキャリアを経て、平成15年伊勢惣入社。同社主力製品の米麹、甘酒、ぬか床などが脚光を浴びる時がくるのを信じ続け、ついに塩麹や甘酒ブームが到来。それらをきっかけに日本の発酵食品が再認識され、発酵食品の伝統と素晴らしさを多くの方に広めることにやりがいを感じている。「発酵食品の良さをすでに実感いただいているお客様はもちろん、また実感いただいていないお客様にも、それらの素晴らしさを知っていただきたいです。それと共に、伊勢惣の良い製品をお届けできればと思っております」(足立さん)。haccola(ハッコラ)の最新情報をお届けします。グルメ系、ライフスタイル系、旅系を得意とするエディター&ライターチーム。オフィスがあるのは酵母と小麦の香り漂うパンの街・江古田。発酵がさかんな街で、日々文章を発酵させています。 4/19は「良いきゅうりの日」!手間いらずのぬか床『仕上りぬかみそ』でキュウリのぬか漬けはいかが?麹やぬか床をより使いやすく!「乾燥麹」や「熟成済みぬかみそ」を製造する伊勢惣の歴史1/20は「甘酒の日」!乾燥麹『みやここうじ』で手作りする3つの甘酒レシピユニークなフレーバー甘酒:みかんにトマト、ヨーグルトや豆乳の甘酒はいかが?料理の幅が広がる!パウダー状の発酵調味料4選大暑の二十四節気発酵レシピ│野菜が無限に食べられる「発酵バーニャカウダソース」「醤油麹と鰹節の発酵混ぜ冷そば」「ズッキーニの発酵レモン塩炒め」戻して漬けるだけ!発酵粉末調味料のおいしい食べ方や使い方のコツ、塩麹フレークのアレンジレシピ簡単!発酵粉末調味料レシピ│基本の塩麹フレークとカレーやハーブ、出汁風味の作り方小暑の二十四節気発酵レシピ│発酵玄米の「薬味たっぷり発酵冷や汁」「カリフラワーの発酵レモン塩サラダ」「野菜の海老生姜オイル炒め」夏至の二十四節気発酵レシピ│マヨネーズ不使用の「発酵たまごサンド」の作り方&「無限ナムル」「ヨーグルトチーズディップ」レシピ2018年01月28日NYが恋する高級食材「ウニ」とチーズが溶ろける♡ポテトグラタン『ポム・ドフィノワ 』│NY発!発酵レシピニューヨークの三大高級食材と言えは、キャビア・トリュフ・フォ…2018年01月20日体温を上げる食材のみ使用!『ラムと下仁田ネギの酒粕シチュー』│二十四節気レシピ東京・表参道にある、発酵をテーマにした居酒屋「発酵居酒屋5(…2017年12月19日ヨーグルト&甘酒メーカー9社13製品特徴まとめ│家電でおいしく、お家で発酵ライフ!家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリー先生に、発酵食…2017年04月26日発酵コスメってどういいの?【中嶋マコトの発酵コスメビューティ】発酵コスメ、使っていますか? “発酵”した食品になじみのある…2016年10月22日小泉武夫先生の発酵生活ご実家が造り酒屋で、お酒をはじめ、味噌も醤油も自家製。文字通…酒粕は日本酒のもろみを搾ったあとにできる搾りかすで、ビタミンB2、B6、食物繊維などもたっぷり米ぬかに塩や水を混ぜて、乳酸発酵させて作ったぬか床は、植物性乳酸菌や米ぬかに含まれているビタミンB1の宝庫です。酒粕が出回る季節やお雛祭りの甘酒に使うために買った酒粕、なかなか使い切ることが出来ませんよね。サンドイッチのパンも発酵食ですが、具材にも発酵調味料を用いることでますますヘルシーでおいしくなります。普段食べているあの納豆パックさえあれば、誰でも納豆を作ることができます。Copyright © haccola.